(SS) 小鳥「プロデューサーさんのコスプレ推しが結構ウザい」

音無小鳥SS

2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:04:25.13 :D8ckT0Owo

プロデューサー宅

小鳥「えへへ……プロデューサーさん、今日も良かったですよ」

P「そ、そうですか……そりゃまぁ…どうも////」

小鳥「なにいまさら顔赤くしてるんですか? あんなことしといてぇ」

P「やっぱり恥ずかしいじゃないですか」

小鳥「ふふっ、なぁんだか思春期の男の子みたいですね」

P「思春期……か」

P「小鳥さん」

小鳥「はい?」

P「…………」

小鳥「……どうしました?」

P「いや……あの……ちょっと引くようなこと言ってもいいですか?」

小鳥「引くようなこと?」

P「はい」

小鳥「ど、どうぞ」

3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:05:57.93 :D8ckT0Owo

P「コスプレ……しませんか?」

小鳥「へ? コスプレ?」

P「はい」

小鳥「えっと……それって………」

小鳥「あっ! 事務服を着たままで……ってこと?」

P「いえ、違います」

小鳥「ってことは……普通にコスプレをするんですか?」

P「えぇ」

小鳥「で、その格好のまま…セッ……そういう行為を?」

P「そうです」

小鳥「…………」

P「やっぱり引きますよね」

小鳥「そ、そんなことないです!」

小鳥「同人誌をたくさん持ってるような人間が、そんなことで引いたりはしませんよ」

P「あっ、そうか……」

4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:07:51.93 :D8ckT0Owo

小鳥「でもコスプレなんてやですよぉ」

P「えー? 引かないんでしょ?」

小鳥「実際にやるのとでは話が違うじゃないですか」

P「絶対可愛いと思うんだけどなぁ」

小鳥「そ、そう言っていただけるのは嬉しいですけど……コスプレはいやです」

P「そんなぁ」

小鳥「ちなみにコスプレって……何かのキャラ? それとも……」

P「制服です」

小鳥「何の制服ですか?」

P「それはもちろん女子高生の」

小鳥「あぁ……なおさら嫌ですね」

P「えーどうしてですか?」

小鳥「…………わかってるくせに」

P「???」

5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:09:45.65 :D8ckT0Owo

小鳥「それにしても……どうして制服なんですか?」

P「これには非常に悲しい過去がありまして……」

小鳥「過去……?」

P「今じゃ言えない秘密じゃないけど、出来ることなら言いたくないんですが……」

小鳥(だったら言わなきゃいいのに)

P「ご承知のとおり、俺にとって小鳥さんが初めての女性です」

小鳥「私もプロデューサーさんが……」

P「つまり寂しい青春時代を過ごしたというわけですね」

小鳥「そうなりますね」

P「他の生徒がイチャコラしてて、それを横目に舌打ち一つ……ってな具合に」

小鳥「ちょいちょい分かりにくいネタを挟まないでください」

P「俺には、ときめきのメモリアルなんてこれっぽっちも無いんです」

小鳥「…………」

6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:11:33.61 :D8ckT0Owo

P「つまりどういうことかと言いますと」

小鳥「…………」

P「制服を着た女の子とイチャイチャしたかったわけですよ、若かりし俺は」

小鳥「それが叶わず、憧れをこじらせた結果が……制服フェチということですか?」

P「幸いにも、女子高生に対する憧れにシフトせず、その着衣に対するものへと発展したので」

P「女子高生をどうこうしたいとかいう、危険思考を抱くには至りませんでしたけど」

小鳥「へぇーそれはよかったですねー」

P「っとまぁ、これが制服にこだわる理由です」

小鳥「だから私に着て欲しい……その格好でイチャイチャしたい……と?」

P「はい」

小鳥「う~~ん」

P「やっぱり厳しいですか?」

小鳥「いや、私もね? プロデューサーさんと青春をやり直したいって気持ちは同じですよ?」

P「それなら……」

小鳥「だからって私が制服を着るのは……なんかチガくないですか?」

8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:13:58.10 :D8ckT0Owo

P「なにがチガウんですか?」

小鳥「私はもう20代……後半です」

P「はい」

小鳥「そんな私が制服を着たって……着せられてる感バリバリじゃないですか」

P「ですから、着衣に対する憧れと言ったではないですか」

小鳥「それって制服着てたら誰でもいいってことでしょ?」

P「いや……それは違いますよ」

小鳥「どう違うんです? 私じゃなくてもいいってことですよ」

小鳥「それこそ、そーいうお店に行けば……」

P「それが嫌だから、こーして小鳥さんに頼んでるんじゃないですか」

小鳥「でも私が着たら、絶対『何かチガウなぁ』って言いますって」

小鳥「『出来心で娘の制服を着てみた母親みたいだ』って言いますよ!」

P「そんなこと言いませんし、それはそれでアリじゃないですか!」

小鳥「えっ……」

小鳥(私も大概だけど……プロデューサーさんもちょっと変わってるわね)

9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:15:52.01 :D8ckT0Owo

小鳥「と、とにかく! 保留にさせてください」

P「……わかりました」

小鳥「それで……ちょっと聞きたいんですけど」

P「えぇ、どうぞ」

小鳥「制服って……もう持ってるんですか?」

P「いえ、コスプレ衣装って生地がチャチじゃないですか。 だから迷ってるんです」

小鳥「確かに………でもセシールとかならそれっぽいの売ってますよ」

P「……よく知ってますね」

小鳥「えっ? い、いや別に興味本位で調べたりとか……してませんよ」

P「そういうことにしときましょう」

小鳥「あとは……セーラー服かブレザーかだと、どっち?」

P「ウチの高校はブレザーでしたので、必然的にそちらです」

小鳥「…………」

小鳥(私のときもブレザーだったわね……そういえば)

10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:17:43.02 :D8ckT0Owo

P「もしかして、持ってたりします? 制服」

小鳥「へ?」

P「昔着てたヤツを……」

小鳥「それは……お家に電話してみないと分かんないですけど……」

P「そうですか……」

小鳥「それにサイズだって……まぁ身長とかはそんなに変わらないかな」

P「体型は変わったんじゃないです?」

小鳥「……どーいう意味ですか?」

P「いや、他意は無いですよ」

小鳥「ホントですかぁ?」

P「え、えぇ」

小鳥「っていうか、ちょっと待ってくださいよ! まだ保留ですからね?」

P「分かってますよ。 無理やり着せるのは嫌ですから」

小鳥「申し訳ないですけど、少し考えさせてください」

P「もちろんです」

11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:20:46.31 :D8ckT0Owo

――――――
――――
――

小鳥「――ってことがあったんですけど……どう思います?」

律子「いつぞやもそうですけど……その話を私にするってどうよ……」

小鳥「だって律子さんしか相談できる人が居ないんですもの……」

律子「される方の身にもなってくださいよ」

小鳥「いいじゃないですかぁ切実なんですよぉ~」

律子「切実も何も、小鳥さんはどうしたいんですか?」

小鳥「私もプロデューサーさんと同じで、暗い青春時代を送りましたから……」

小鳥「プロデューサーさんの気持ちはよーく分かるんです」

律子「だったらコスプレしてあげたらいいじゃないですか」

小鳥「でも、こんな年でしょ? だから……」

律子「恥ずかしい?」

小鳥「そんなとこです」

13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:22:20.49 :D8ckT0Owo

律子「でもプロデューサーだって恥ずかしかったんじゃないですか?」

小鳥「私にコスプレを頼むのが?」

律子「えぇ……もしかしたら、嫌われるかもしれないとまで思っていたかも」

小鳥「そのくらいで嫌ったりなんかしませんよ」

律子「自分の趣味を人に晒すというのは、結構勇気がいるんですよ」

律子「それでもなお打ち明けてくれたのは、小鳥さんを信頼してるからこそ! でしょ?」

小鳥「……そうですね」

律子「ですからその勇気と信頼に応えてあげましょうよ」

小鳥「うん……まぁ、そうしようかしら……」

律子「よしよし」

小鳥「でも私だって勇気いるんですよ? 中年増の女がコスプレなんて……ねぇ」

律子「何言ってるんですか、そんなことありませんよ」

小鳥「そ、そう?」

律子「そうですよ」

律子(もうイロイロと手遅れですから……)

14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:26:29.62 :D8ckT0Owo

律子「それで? 衣装はもうあるんですか?」

小鳥「うぅん、まだなの」

律子「どうするんです?」

小鳥「もしかしたら実家にあるかもしれないから……」

律子「おっ、いいですね。 本物だったらプロデューサー喜びますよきっと」

小鳥「そうね」

律子「ちょっと連絡してみたらどうです? お家に」

小鳥「え? 今から?」

律子「えぇ」

小鳥「今しなくていいですよー」

律子「いえいえ、早いほうがいいですって絶対」

小鳥「とか言って、律子さんが気になるだけでしょ?」

律子「……認めましょう、そのとおりです」

小鳥「…………」

小鳥「分かりました、やってみます」

16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:29:05.70 :D8ckT0Owo

小鳥「…………」

律子「…………」

小鳥「……あっ、もしもし? お母さん?」

小鳥「うん……ゴメンね急に」

小鳥「うぅん仕事中……ちょっと聞きたいことがあって……」

小鳥「あの……私の高校のときの制服って………ないわよね?」

小鳥「…………あるんだ」

律子(…………あるんだ)

小鳥「え? いつでも着れる……?」

小鳥「ち、違う違う! 私が着るんじゃなくて……」

小鳥「ほら、アイドルの衣装の参考に……しようかなぁって」

小鳥「……うん……そう…………うん」

律子(流石に使用目的は言えないか……まぁ当然ね)

17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:30:52.75 :D8ckT0Owo

小鳥「……え?」

小鳥「い、いや……それは……その………」

小鳥「ちょ、ちょっと忙しいからもう切るねっ!」

ピッ

小鳥「……ふぅ」

律子「最後のほう、何て言われてたんですか?」

小鳥「『アンタ例のプロデューサーとはどうなったの?』ですって」

律子「あぁ、なるほど」

小鳥「『プロポーズは?』とか『孫の顔が……』とか言われる前に切ってやったわ」

律子「心配してらっしゃるんですよ、きっと」

小鳥「うん……それは分かってるんですけど……」

律子「まぁまぁ、いずれそういう報告もできるんでしょ?」

小鳥「だといいけど……どうかしらね」

律子「大丈夫ですって! 二人ほどお似合いなカップルはいませんよ」

律子(片や同人趣味で、片やコスプレ趣味だもの……)

18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:32:47.23 :D8ckT0Owo

律子「それじゃ、取りに行くことにしたんですね?」

小鳥「えぇ、もう決心がついたわ」

律子「…………あっ」

小鳥「ど、どうしました?」

律子「イイこと思いつきました」

小鳥(なんだろう……すごく嫌な予感がする……)

律子「ちょっとお耳を拝借……」

小鳥「はいはい」

律子「明日の朝………が…………後に…………」

小鳥「…………」

律子「……から…………ておいて…………」

小鳥「えぇ~!? ムリですよぉ~」

律子「大丈夫ですって……ね?」

小鳥「………………わ、わかりました」

19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:34:32.80 :D8ckT0Owo

小鳥「でもどうだろうなぁ……」

律子「何がですか?」

小鳥「一応お家で試着してみますけど……サイズ面が不安で……」

律子「あぁそうですね、主に胴まわりが……」

小鳥「胴まわりぃ!?」

律子「じょ、冗談ですよ!」

小鳥「せめて胸囲って言ってくれませんかねぇ」

律子「そうそう、それが言いたかったんです」

小鳥「律子さん? あんまり大人をからかっちゃダメよ?」

律子「す、すみません」

小鳥「ふふっ、冗談ですよ」

律子「あはは……なぁんだ………」

律子(目がマジなんですけど……)

20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:35:37.10 :D8ckT0Owo

小鳥「なにはともあれ……相談に乗ってくれてありがとう、律子さん」

律子「大したことしてませんけどね」

小鳥「うぅん……この前だって相談に乗ってくれたし」

律子「っていうか、そうしないと仕事してくれないじゃないですか」

小鳥「え?」

律子「遠い目をして『はぁ……』とか溜息付くばかりで」

小鳥「私……今、そんな感じでした?」

律子「自覚無かったんですか?」

小鳥「まったく」

律子「わざとかと思ってました」

小鳥「そんな構ってちゃんみたいなことしませんよぉ」

律子「まぁいいです。 無事解決したんですから、仕事してくださいね」

小鳥「あっ、もう3時ですよ! 休憩しましょう休憩!」

律子「……おい」

21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:36:42.39 :D8ckT0Owo

――――
――

春香「コスプレ……ですか?」

P「あぁ」

春香「それって……小鳥さんがコスプレをした状態で……す、するんですか?」

P「うん……どう思う?」

春香「普通アイドルにそんな話しますぅ?」

P「ほ、ほら! 時間的なこともあってさ、春香ぐらいしか話せる人居ないんだよ」

春香「いつかもそんなこと言ってましたよね」

P「そうだっけ?」

春香「それで? 小鳥さんは何て?」

P「保留だってさ」

春香「それなら……簡単なことですよ。 結論が出るまで待つしかないです」

P「……やっぱり?」

春香「はい」

22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:37:51.85 :D8ckT0Owo

春香「だって無理やり着せるわけにいかないじゃないですか」

P「そうだな……」

春香「ちなみに何のコスプレですか?」

P「制服だよ制服。 女子高生の」

春香「制服? 何か理由があるんですか?」

P「小鳥さんにも言ったんだけど……簡単に言うと、制服フェチなわけだ」

春香「そんなに胸を張って言うようなことじゃないです……」

P「サーセン」

春香「フェチ……ですか」

春香(だから私が制服で事務所に行ったとき、ちょっと様子がおかしかったんだ)

P「どうした?」

春香「い、いえ……なんでも」

春香「とりあえず待つことです。 その間、ゼッタイこの話題に触れちゃダメですよ」

P「わかってるよ」

23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:39:35.64 :D8ckT0Owo

春香「これから事務所に戻るんですから、小鳥さんと会いますよね?」

P「99パーセント会うだろうな」

春香「多分その時、小鳥さんは気まずそうにしてるはずです」

P「うん」

春香「ですから、プロデューサーさんは何食わぬ顔で接してあげてください」

春香「『コスプレの話なんて知らないよ?』って感じで……」

P「つまりは変なプレッシャーを与えないようにしろってことだろ?」

春香「そうです! 仮にあとで断られても、小鳥さんを責めないでください」

P「もちろんだ。 まぁ流石に事務所でこの話はしないだろうけど」

春香「そうですね……律子さんに『仕事しろ!』って怒られちゃいますよ」

P「とはいえ、もう夕方。 サラリーマンだったら帰っていい時間だけど」

春香「でもプロデューサーさん定時で帰ったことないんでしょ?」

P「……まぁな。 『5時から男』なんてのはありえない話さ」

春香「なんですかそれ?」

P「いや、知らないならいい」

24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:40:58.28 :D8ckT0Owo

――――
――

ガチャ

P「ただいま戻りまし……うわっ!」

小鳥「きゃっ!」

P「あービックリしたぁー」

P(いきなり飛び出してくるから、ぶつかるかと思った)

春香「わぷっ!」

P「おっと!」

春香「もぅプロデューサーさん! 急に立ち止まらないでくださいよぉ~」

P「ムチャ言うなって」

春香「あー鼻が痛い……ってあれ? 小鳥さん?」

小鳥「お、おかえりなさい春香ちゃん」

春香「ただいまです!」

P「そういう小鳥さんは、もうお帰りですか?」

小鳥「え、えぇ……ちょっと用事が………」

25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:43:11.60 :D8ckT0Owo

小鳥「帰る前に……コーヒー淹れますね」

P「あっ大丈夫ですよ。 それより用事の方を優先してください」

小鳥「でも……」

律子「小鳥さん、コーヒーは私が淹れますから」

P「なんだ律子、いたのか」

律子「いちゃ悪いですか?」

P「いやいや、そういう意味でなくて」

律子「ったく……恋は盲目ってのは本当なのね。 ねぇ春香?」

春香(私も気付かなかった……なんて言えない……)

律子「どうしたの?」

春香「な、なんでもないです!」

P「……なんにもな~いなんにもな~い」

小鳥「まったくなんにもな~い」

律子・春香「「なんですかそれ?」」

P「いや、知らないならいい」

26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:45:10.69 :D8ckT0Owo

律子「ほらほら小鳥さん、早く帰らないと」

小鳥「あっはい! それじゃ……お先です!」

P「…………階段を駆け下りていったぞ」

春香「随分慌ててましたね」

P「なぁ律子、小鳥さんの用事って何なんだ?」

律子「さぁ……聞いてないですけど」

春香「プロデューサーさんこそ、何も知らないんですか?」

P「うん」

春香「ま、まさか……浮気?」

P「えっマジ!?」

律子「あのねぇ……小鳥さんがそんなことするわけないでしょ?」

P「そ、そうだよな! するわけないだろ春香」

春香「……そうですね」

P・春香・律子『あっはっはっはっはー』

27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:46:36.08 :D8ckT0Owo

P「用事だって、大したことじゃないよ」

律子(フッ……そうかしら?)

P「そうだ、春香も今日は帰るか?」

春香「え? 明日の打ち合わせとかいいんですか?」

P「予定の変更はないから、明日は今日と同じくらいの時間に来てくれたらいい」

春香「分かりました」

P「そいじゃ、お疲れさん」

春香「お疲れ様でした! 律子さんも!」

律子「おつかれさま」

P「……ふぅ」

律子「さて、ブラックでしたっけ? コーヒー」

P「あぁ、悪いな。 ブラックはブラックだけど……」

律子「アメリカン……ですね?」

P「イエス」

28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:48:11.16 :D8ckT0Owo

翌日

春香「おっはようございまーす!」

P「おはよう春香」

春香「小鳥さんと律子さんも、おはようございます」

律子「うん、元気でよろしい」

小鳥「……おはよう春香ちゃん」

春香「あれ? 小鳥さん、どうかしたんですか?」

小鳥「え? な、なにが……?」

春香「いえ……なんとなくいつもと違うかなぁーって」

小鳥「そ、そんなことないんじゃないかしら? ねぇ律子さん?」

律子「そんなことなくもないと思いますけど……」

小鳥「ちょ、ちょっと!」

律子「あはは、冗談です」

小鳥「もう……」

29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:49:20.40 :D8ckT0Owo

P「おーい春香、そろそろ行くぞ」

春香「あっはーい」

小鳥「あ、あの……プロデューサーさん?」

P「はい?」

小鳥「今日は夕方まで帰ってこないんですよね?」

P「えぇ、そうなると思います」

小鳥「そうですか……わかりました」

小鳥「…………」

P・春香(小鳥さん、もしかして……寂しいのかな)

小鳥「な、なんですか?」

P「いえ……」

律子「お二人とも、早く行かないと」

P「おっとそうだった!」

春香「行ってきまーす」

小鳥「…………」

30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:51:10.75 :D8ckT0Owo

律子「行きましたね」

小鳥「えぇ……行ってしまいました」

律子「さて! ではさっそく……」

小鳥「…………」

律子「あれ?」

小鳥「あの……ホントにやるんですか?」

律子「当たり前でしょ。 何の為に昨日早く帰ったんですか?」

小鳥「でも誰か来たら……」

律子「来客なんて滅多にないし、アイドルになら見られても平気でしょ?」

小鳥「平気じゃないですよぉ」

律子「うーん」

小鳥「……仕事が手に付かなくなるかもしれないですし」

律子「分かりました。 じゃあ夕方なら良いでしょ?」

小鳥「ま、まぁ夕方なら……まだ………」

律子「よし決まりですね」

31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:52:56.92 :D8ckT0Owo

――――
――

春香「絶対何かありますって、小鳥さん」

P「だからその何かってのはなんだよ」

春香「それは分かんないですけど、なんとなくそんな感じなんです」

P「随分とあいまいだな」

春香「大体、私よりプロデューサーさんが気付かないといけないんですよ?」

P「どうして?」

春香「どうしてって……恋人でしょ?」

P「…………」

春香「むしろ、プロデューサーさん以外に誰が気付くんですか?」

P「……となればだ、気付かないといけない俺が気付いていないということはだよ?」

P「春香が言うような“何か”が存在しないってことだ」

春香「それって単にプロデューサーさんが鈍感なだけじゃ……」

P「ぐぬぬ……」

32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:54:48.86 :D8ckT0Owo

P「とにかく、俺にはいつも通りの小鳥さんにしか見えなかった」

春香「そうかなぁ……」

P「まぁまぁいいじゃないか」

春香「でも……」

P「ほら、もうすぐ収録始まるから、とりあえず忘れなさい」

春香「プロデューサーさんは考えててくださいよ」

P「わかったわかった」

春香「何か取り返しのつかないことにならなきゃいいですけど……」

P「心配しなくても大丈夫だよ、多分」

春香「うーん……」

『そろそろお願いしまーす』

P「ほら来たぞ」

春香「あっはーい! それじゃ、行ってきますね!」

P「がんばれよ」

春香「もちろん!」

33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:56:25.88 :D8ckT0Owo

『天海春香ちゃんでーす』

春香『どうもこんにちはー!』

P「…………」

P(収録時にケロッとしてるってのは……流石はプロだな)

P(しかし、小鳥さんの様子がおかしかった……か)

P(俺には普段と変わらないように見えたけどな……)

P「…………」

P(何か取り返しのつかないこと………?)

P「…………」

P「もしかして……」

P(俺がコスプレしてくれ、なんて言ったから……)

P(別れようって…………)

P「…………まさかな」

P「そんなはずないよな……?」

P「ないですよね? 小鳥さん……」

34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:58:15.48 :D8ckT0Owo

春香「……どうでした?」

P「あぁ、うん……まぁよかったんじゃないか?」

春香「もう! ちゃんと見てくれてたんですか?」

P「……正直あんまり」

春香「どうせ小鳥さんのことばっかり考えてたんでしょー」

P「そうしろと言ったのは春香だろ」

春香(……そうだったっけ?)

春香「それで、何か分かったんですか? 小鳥さんのこと」

P「いや、相変わらずだ」

春香「そうですか……」

P「変なことにならなきゃいいけど……」

春香「この話を振ったのが私だから、あんまり言えないですけど……」

春香「そんなに気にしなくていいと思いますよ」

P「そうか?」

春香「はい」

35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 22:59:47.66 :D8ckT0Owo

春香「私も分かんないですし、プロデューサーさんも分かんない……」

春香「考えて分かんないのなら、考えないほうがいいです」

P「まぁな」

春香「その方が精神的にもいいんじゃないかと……」

P「確かにそうかもしれないな」

春香「でしょう? なんとかなりますって」

P「いやしかし……」

春香「ほら、難しい顔しなくていいですから、笑って笑って!」

P「あ、あはは……」

春香「もう……これじゃ立場が逆じゃないですか」

P「いやぁ面目ない」

春香「さ、次の仕事に行くんでしょ? 早くしないと」

P「あぁそうだったな!」

春香「しっかりしてくださいよ?」

P「わかってるよ」

36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:00:32.64 :D8ckT0Owo

――――
――

P「お疲れさん、今日もよく頑張ったな」

春香「えへへ……ありがとうございます」

P「もう事務所に戻るけど……お腹空いてたりしないか?」

春香「大丈夫ですよ。 それより早く戻りましょう」

P「そうか……でも、飲み物ぐらいは奢るよ」

春香「いいですって」

P「遠慮しなくてもいいんだぞ?」

春香「いつも奢ってもらってばかりですから」

P「そうだっけ?」

春香「そうですよ」

P「いつものことなら、尚のこと遠慮はいらないじゃないか」

春香「いいからいいから、早く行きましょう」

P「あ、おーい」

37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:02:11.58 :D8ckT0Owo

事務所

律子「もう帰ってくるんじゃないですか? あの二人」

小鳥「えっもうそんな時間?」

律子「そろそろ準備したほうがいいと思いますよ」

小鳥「…………はぁ」

律子「なんですか溜息なんて」

小鳥「やっぱり……やめた方がいいんじゃないかしら?」

律子「もう決まったことです! 」

小鳥「で、でも……」

律子「そんなに心配しなくても平気ですって。 女は度胸! ですよ?」

小鳥「そうですけどぉ」

律子「プロデューサーさん喜んでくれますって絶対」

小鳥「…………わかりました」

律子「会議室使っていいですから」

小鳥「はい」

38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:06:02.40 :D8ckT0Owo

ガチャ

小鳥(あっ来た!)

P「ただいま戻りま……し………た?」

小鳥「お、お帰りなさい」

春香「わぷっ!」

P「…………」

春香「もぅプロデューサーさん! 急に立ち止まらないでって………あれ?」

小鳥「…………」

P「小鳥さん……その格好……」

小鳥「え、えと……制服です」

P「……ですよね」

小鳥「…………」

P「…………」

春香(ど、どーいうこと?)

39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:07:29.84 :D8ckT0Owo

律子「さーて、帰るわよ春香」

春香「えぇ!?」

律子「何よ?」

春香「いや……別に……」

律子「プロデューサー? 明日、春香は?」

P「へ? なに?」

律子「だから、春香は明日どうしたらいいんですか?」

P「あっ……えぇっと、明日はレッスンだけだから……その時間に遅れないようだけ頼む」

律子「ですって……春香、わかった?」

春香「は、はい」

律子「それじゃ、私と春香はこれで」

春香「お、おつかれさまでした」

P「…………」

小鳥「……また明日ね」

40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:08:48.59 :D8ckT0Owo

バタン

小鳥「…………」

P「そ、それって……本物ですか?」

小鳥「えぇ、私が高校時代に着てたものです」

P「そうですか……」

小鳥「…………」

P「あの……」

小鳥「は、はい?」

P「いえ………」

小鳥「分かってますよ……変ですよね、やっぱり」

P「そんなことないです! すっごく似合ってますよ!」

小鳥「そ、そうですか?」

P「……いや、本当ですよ? お世辞抜きで」

小鳥「お気遣いどうも……」

41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:10:30.29 :D8ckT0Owo

小鳥「あの……プロデューサーさん、今日は?」

P「今日ですか? もう帰ろうかと思ってますけど」

小鳥「そうですか……だったら、行きましょう」

P「えっ……あ、そうか! 今日は俺んちに来る日でしたね」

小鳥「はい」

P「でも……その格好で家まで?」

小鳥「…………ぁ」

小鳥(帰るときのこと考えてなかった……)

P「着替えます?」

小鳥「で、でも……アレですよね。 制服の子とイチャイチャしたかったんですよね?」

P「それはまぁ、そうですけど」

小鳥「だから、その……いっしょに帰りましょう」

P「えっと、いいんですか?」

小鳥「ちょっと恥ずかしいですけど、頑張ります」

42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:12:03.63 :D8ckT0Owo

小鳥「あ、でも……援助交際とかに間違われちゃいますかね?」

P「それは大丈夫だと思いますけど」

小鳥「むっ……ちょっと、どーいう意味ですか?」

P「は?」

小鳥「私がオバサンだからって言いたいんですか?」

P「いや、違いますよ! ほら、アレですよアレ!」

小鳥「どれですか?」

P「えーっと……あのぅ……き、兄妹に見えるって言いたかったんです!」

小鳥「……ホントですかぁ?」

P「本当ですよ。 やだなぁ~」

小鳥「う~ん」

P「さ、さぁ行きましょう!」

小鳥「なんだかなぁ~」

43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:13:57.85 :D8ckT0Owo

P「…………」

小鳥「…………」

P「…………」

小鳥「な、なんですかコッチばっかり見て……しっかり前を向いて歩いてください」

P「いや……かわいいなぁ~と思って」

小鳥「も、もう………ばか」

P「女子高生がこんな服着てたら……そりゃ変質者も出ますよね」

小鳥「本物には手を出さないでくださいよ?」

P「分かってますよ。 小鳥さんで我慢します」

小鳥「我慢だなんて……妥協してるみたいに……」

P「なに言ってるんですか。 俺は小鳥さんだけしか見てませんよ」

小鳥「んなっ!?」

P「どうしたんですか? 鯉みたいに口をパクパクして」

小鳥「さらっと恥ずかしいこと言うの禁止です!」

P(俺なんか言ったっけ……?)

44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:15:52.00 :D8ckT0Owo

P「そういえば、鞄もあるんですね」

小鳥「えぇ、母が残してたみたいで」

小鳥「制服着てるのに鞄だけいつものだと……変でしょ?」

P「お母さんグッジョブ!」

小鳥(お母さん……か)

P「どうかしました?」

小鳥「あの……義はつきますか?」

P「ギ? なんですかそれ?」

小鳥「い、いえ……お気になさらず」

P「ぎ、ぎ、ぎ………うーん」

小鳥「考えなくていいですってば!」

P「あっはい」

小鳥「さ、早く行きましょー!」

P「あっ、待ってくださいよー」

小鳥「うふふっ、敬語はダメですよ」

45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:17:15.35 :D8ckT0Owo

P「……さて、無事に着きましたね」

小鳥「職質されることもなく」

P「流石にそれはないでしょ」

小鳥「でも、ものすごく怪しいですよ私たち」

P「そうですかね?」

小鳥「そうですよ」

P「まぁいいや……早く中に入りま……」

小鳥「あっ、ちょっと待って!」

P「なんですか?」

小鳥「私が先に入ってますから、いいって言ったら来てください」

P「え? でもなんで……」

小鳥「いいから!」

P「わ、わかりました」

46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:18:20.05 :D8ckT0Owo

P(一体何なんだろう……?)

P「…………」

小鳥「いいですよー」

P「はいはい」

ガチャ

P「……っと」

小鳥「お帰りなさい……お、お兄……ちゃん」

P「」

小鳥「あれ?」

P「い、今なんと……?」

小鳥「だから……お帰りなさい、お兄ちゃん!」

P「……すばらしい!」

小鳥「そ、そう?」

47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:19:41.97 :D8ckT0Owo

P「ちょっと俺、もう一回出ますから! 次はセンパイでよろしく!」

小鳥「え? あっ、ちょっと!」

バタン

P「いきますよー?」

小鳥「は、はい」

ガチャ

P「ただいまー」

小鳥「お、お帰りなさい……センパイ」

P「うん、いいですね……」

小鳥「…………」

P「次はセンセで」

小鳥「えっ……まだするんですか?」

P「先生じゃなくて、センセですからね!」

48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:21:02.66 :D8ckT0Owo

小鳥「はい、どうぞー」

ガチャ

P「ふぅ」

小鳥「お帰りなさい、セーンセ」

P「おぉ……この背中がむず痒くなる感覚は実にいいものだ」

小鳥「…………」

P「いやーどれもすばらしい!」

小鳥「…………」

P「えーっと次は……」

小鳥「もう! いい加減にしてください!」

P「あっ、待って小鳥さん。 ちょっと向こう向いてください」

小鳥「えっ? こ、こう……?」

P「そのままそのまま…………よっと」

小鳥「うひゃぁ!?」

49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:22:46.28 :D8ckT0Owo

小鳥「ちょ、ちょっとなにやってるんですかぁ!?」

P「ほぉ……これがスカートめくりかぁー」

小鳥「や、やぁ……恥ずかしい」

P「なに恥ずかしがってるんですか?」

小鳥「だ、だってぇ」

P「制服に似合わず、大人っぽい下着っていうギャップが実に素晴らしい」

小鳥「うぅ……恥ずかしくて死にそう」

P「うーんでもやっぱり……パンツってのはチラッと見えるからいいんだな」

P「うん! パンモロよりパンチラだ!」

小鳥「いいから早くスカートを下ろしてくださいぃ~」

P「え? 脱がすんですか?」

小鳥「違いますよ! めくってるのを下ろしてって言ってるんです!」

P「あぁそういうことですか」

小鳥「んもうっ!」

50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:24:29.90 :D8ckT0Owo

P「…………」

小鳥「えと……もう………するんですか?」

P「まぁ……そのつもりですけど」

小鳥「わ、わかりました」

P「…………」

小鳥「………んっ」

P「な、なんだか……イケナイことしてるみたいです」

小鳥「そ、それは……なりきり度が足りないからですよ」

P「なりきり度?」

小鳥「私は女子高生で、プロデューサーさんは学年がひとつ上の男の子……」

小鳥「そう考えれば普通でしょう?」

P「えぇまぁ」

小鳥「私も無理は承知で、それでも頑張ってなりきりますから」

P「でも、どうして俺の方が学年が上なんですか?」

小鳥「い、いいじゃないですか別にそれくらい!」

51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:25:57.81 :D8ckT0Owo

小鳥「私たちは今高校生で、二人は付き合ってるんです」

P「はい」

小鳥「それで……都合のいいことに、ご両親が旅行で居ないわけですよ」

P「だから初めて泊まりにきた……ということですね?」

小鳥「そう」

P「でもなんか……同人誌でそんなのありませんでした?」

小鳥「……余計なことは考えない」

P「すんません」

小鳥「それで、二人はドギマギしながら帰ってきて……」

P「帰ってきて……」

小鳥「今に至る」

P「…………」

小鳥「どうですか? なりきり度が高まってきました?」

P「うん、まぁ……」

小鳥「大事なのはイメージを維持し続けることです。 では、続けますよ?」

52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:27:27.65 :D8ckT0Owo

小鳥「…………」

P「…………」

小鳥「え、えと……わたし……ハジメテなんです」

P「…………」

小鳥「だから……そのぅ………」

小鳥「優しくしてくださいね、センパイ」

P「……こ、小鳥さん」

小鳥「あーダメですよ」

P「えっ?」

小鳥「貴方は今、プロデューサーじゃなくてセンパイなんですから」

P「は、はぁ」

小鳥「ですから……私のことは小鳥って呼んでください」

P「こ、小鳥……」

小鳥「センパイ……」

53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:30:29.79 :D8ckT0Owo

――――――
――――
――

小鳥「あぁ~あ、プロデューサーさんと高校時代に会いたかったなぁ」

P「あはは……そうですね」

小鳥「二人で青春を謳歌したかったです」

P「まぁまぁ、過ぎた日のことを嘆いたってしょうがないですよ」

小鳥「それはそうですけど……」

P「青春なんて、これから謳歌すればいいじゃないですか」

小鳥「えっ?」

P「早くに出会えなかった分、ずっと一緒にいればいいんです」

P「一生かけて、青春の穴埋めをしますから」

P(なかなか良いこと言うなぁー俺も)

小鳥「…………」

小鳥「あ、穴埋めだなんて……いやらしい」

P「うそーん」

54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:33:09.61 :D8ckT0Owo

P「さぁ次はどんな格好でしましょうか?」

小鳥「…………なんですって?」

P「だから、どんなコスプレをしますか? スク水? メイド?」

小鳥「いやいやいや……私はもう………」

P「待てよ……小鳥さんの最大の魅力は、なんといってもグンバツの脚!」

P「その美脚を活かすには……チャイナ服しかないっ!!」

小鳥「ちょ、ちょっと!」

P「問題は服の色と……スリットの長さだな」

小鳥「プロデューサーさ~ん?」

P「短すぎるのもダメだし、長すぎるとイヤラシさだけが際立ってしまう」

小鳥「いい加減に……」

P「あくまでも上品なエロスでなくては……」

小鳥「いい加減に………しなさい!!」

P「いでっ! 何ですか!? チョップはないでしょチョップは!」

小鳥「ったくもう……」

55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:35:24.54 :D8ckT0Owo

小鳥「もうコスプレなんてしませんからねっ!」

P「えーどうして?」

小鳥「どうしてって……もういいじゃないですか」

P「そんなぁ~もったいなーい」

小鳥「なんといわれようと、ダメなものはダメです!」

P「だったら、せめてチャイルドスモックだけでも………」

小鳥「チャイルドスモックぅぅ?」

P「ほら、幼稚園児の格好ですよ」

小鳥「幼稚園児って……い、一番ダメですよそんなの!」

P「一番ダメなんですか!?」

小鳥「いやだって……アイドルの子達の年齢ならまだ分かりますけど……」

小鳥「私だったら、保母さんとかになるのが普通じゃないですか!」

P「何をおっしゃいますか! 成人女性にチャイルドスモックはポピュラーですよ!」

小鳥「どの世界のポピュラーですか……」

56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:37:46.34 :D8ckT0Owo

P「視覚的に可愛いってのはもちろんですけど……」

小鳥「…………」

P「そこに『この年でこんな格好……恥ずかしいわ』っていう羞恥心が加わってですね」

P「なんとも名状しがたい魅力が、身体中から醸し出されるわけですよ!」

小鳥「…………」

P「体操服でも同じような効果がありますけど……やっぱりここは園児服でしょ!」

小鳥「いや……あの………」

P「よし! そうと決まれば……」

小鳥「ちょっ、なに勝手に話進めてるんですか! 私は着ませんからね!」

P「往生際が悪いですねぇ」

小鳥「だって……」

P「もう次で最後にしますから……多分」

小鳥「やですよぉ~」

P「そうですか………」

小鳥「…………」

57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:39:15.53 :D8ckT0Owo

P「はぁ~あ、見てみたかったなぁ……残念だなー」

小鳥「…………」

P「ぜっったい可愛いんだけどなぁ……残念だなー」

小鳥「…………」

P「小鳥さんの新たな魅力が見つかると思ったのになぁ……残念だなー」

小鳥「…………」

P「美人で可愛くてエロい小鳥さんに、ロリ要素が加わったら最強なのになぁ……残念だなー」

小鳥「…………」

P「はぁ……残念だなー」

小鳥「そ、そんなに……」

P「え?」

小鳥「そんなに着て欲しい……ですか?」

P「えぇ、そりゃーもう!」

小鳥「そう……」

58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/13(土) 23:42:19.58 :D8ckT0Owo

小鳥「じゃあ……着てあげてもいいかなぁ………」

P「えっマジですか!? ぃやったー!!」

小鳥「…………そのかわり、最後ですよ?」

P「それは……」

小鳥「やっぱり止めよ」

P「あー嘘です嘘です! 次で最後!」

小鳥(こんなに必死なプロデューサーさん初めて見た……)

P「さっそく衣装を……あっそうだ! 絆創膏も要るな……」

小鳥「…………」

P「えーっとまず、上と下で最低でも三枚は必要だろ? あとは膝に一枚……」

P「そうだ! カミソリも準備しておかないと!」

小鳥「…………はぁ」

小鳥(もうやだこんなプロデューサー……もうやだこんな恋人……)

END

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